投稿日:2023.03.17 更新日:2024.03.21

今さら聞けないSDGs。押さえておきたいポイントや企業の販促物との関係を解説!

こんにちは、クリエイティブ担当の大出です。
最近、弊社がデザインする制作物にもSDGsマークを入れる機会が非常に増えてきました。 SDGsが国連サミットで採択されたのが2015年9月。今ではその言葉を見ない日はない!というくらい浸透してきましたね。
ところで「SDGsに取り組もう」と言われたら、すぐに行動に移すことはできますか? 今回はSDGsが誕生した背景から企業活動で活かせる視点まで、ぼんやりしていたSDGsについて解説します。

SDGsには前身のMDGsがある!?

SDGsを理解する前に、まずはSDGsが誕生する経緯となったMDGsについて説明します。

MDGsとは、「Millennium Development Goals」の略です。2000年9月に開催された国連ミレニアム・サミットで採択された目標で、ミレニアム開発目標と呼ばれています。2015年までに達成すべき目標として、以下の8つの目標と21のターゲットが定められました。

MDGs 8つの目標

  • 極度の貧困と飢餓の撲滅
  • 初等教育の完全普及の達成
  • ジェンダー平等推進と女性の地位向上
  • 乳幼児死亡率の削減
  • 妊産婦の健康の改善
  • HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止
  • 環境の持続可能性確保
  • 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

上記の通りMDGsは主に発展途上国の課題解決を目指したものでした。達成期限となった2015年には、貧困問題や教育格差などで一定の成果をあげることができましたが、女性の地位向上や貧困層と富裕層の格差の広がりなど、まだまだ改善する余地は多く残ってしまいました。また、地球環境に大きな影響を与えているのは先進国であり、途上国と先進国を分けて考えるのではなく、一緒になって取り組もうと議論を重ねた結果、「誰一人取り残さない」世界を目指して誕生したのがSDGsなのです。

SDGsの誕生、17の目標と169のターゲットへ

MDGsの後継として誕生した持続可能な開発目標SDGs(Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標です。持続可能な世界を実現するために、2030年のあるべき姿である17の目標(ゴール)が定められています。

SDGs 17の目標

  • 貧困をなくそう
  • 飢餓をゼロに
  • すべての人に健康と福祉を
  • 質の高い教育をみんなに
  • ジェンダー平等を実現しよう
  • 安全な水とトイレを世界中に
  • エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 働きがいも経済成長も
  • 産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 人や国の不平等をなくそう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任、つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 海の豊かさを守ろう
  • 陸の豊かさも守ろう
  • 平和と公正をすべての人に
  • パートナーシップで目標を達成しよう

よく見かけるようになったお馴染みの目標(アイコン)ですね。各目標ごとに達成するための具体的な169のターゲットも設定されています。

例えば、

「8.働きがいも経済成長も」の目標達成のためのターゲットは「若者や障害者を含むすべての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。」といった内容が定められています。SDGsは、発展途上国だけではなく日本を含む先進国自身が積極的に取り組むユニバーサル(普遍的)なものなのです。

企業がSDGsに取り組むメリットは!?

SDGsの成り立ちや必要性がわかってきたところで、企業がSDGsに取り組むメリットは何でしょうか?ここでは代表的なメリットを3つ紹介します。

ビジネスチャンスを拡げるキッカケになる

SDGsは国連で採択されたものであり、国や企業、一般の人まで取り組むべき内容となっています。いわば世界全体の「共通言語」となりつつあるため、企業がSDGsの目標達成に取り組む過程で、新たな需要が発生し、新規市場開拓やビジネスチャンスの創出につながる可能性があります。うまくチャンスに巡り合い、それを活かすことができれば、大きな利益や新しいビジネスモデルをつくり出す可能性を秘めています。

企業イメージの向上

企業としてSDGsに取り組むことで、イメージアップや社会的な信頼の獲得につながります。多くの人がその企業に対して良いイメージを持ってもらうことが可能となります。また、社会的な信頼を獲得することで企業の持続可能な成長が実現でき、ステークホルダーとの良好な関係も築くことができるため、融資や取引においても有利に進めやすくなることが期待できます。

採用力向上や人材育成につながる

就職活動中の学生や転職希望者の中には企業の社会貢献度を重視して企業選びをしている人も多くいます。新たな人材を採用する際にも、応募人数の増加や良質な人材が集まることが期待できるでしょう。またSDGsに積極的に取り組む企業では、自社が社会貢献していることに働きがいを感じる社員も多く、モチベーションが向上しやすいオフィス環境がつくられます。結果的に離職率を減らし、人材不足を解消することにもつながってきます。

以上、企業がSDGsに取り組むメリットを3つ挙げてみました。

まだ漠然としていて、壮大な取り組みをしなければならないといった印象を持つ方もいるかもしれません。しかし、SDGsの取り組み内容は企業規模や方針によっても様々です。

  • 再生可能エネルギーへの切り替え
  • リサイクル事業を通じた環境保全

といった大規模な取り組みもあれば、

  • オフィスの節電、節水を心掛ける
  • コピー用紙の再利用やリサイクルを積極的に行う

など、今日からでもすぐに始められる取り組みもあります。これらも立派なSDGsの取り組みなのです。SDGsは事業規模が大きい企業だけのものととらえず、日々の業務の中でできることを探してみることも大切です。

企業販促担当者向け! 取り組みやすいSDGs事例をご紹介

弊社はデザイン制作会社のため、お客様への納品物は紙製品・プラスチック製品など多岐にわたります。そんな制作会社の観点から、企業販促担当者が日々の業務の中で取り組みやすいオススメSDGsを紹介します。

チラシ・ポスター・カタログなどの紙の種類を選んでみる

普段何気なく選んで発注している紙にも、実はSDGsに貢献できるものがあります。

代表的なものに「FSC®️森林認証紙」があります。

これは第三者認証により適切に管理された森林の木材を原料とした紙であり、違法な森林伐採や、製造過程での二酸化炭素の大量排出といった環境破壊のリスクがありません。大切な森を守りながら利用し続けるための厳しい認証制度をクリアした紙を使うことで、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」をはじめ、目標3「すべての人に健康と福祉を」などの目標の達成に貢献できます。

フェアトレードの側面を持つ「バナナペーパー」もあります。

これはアフリカのザンビア共和国で生産されたバナナの茎繊維を原料とし、古紙または森林認証パルプを加えて作られた紙です。今までは廃棄物だったバナナの茎繊維に付加価値をつけ、「収穫する」という現地の女性たちの雇用も生み出しています。その結果多くの子供たちが学校に通うことができることにもつながります。主に目標1「貧困をなくそう」や目標4「質の高い教育をみんなに」、目標8「働きがいも経済成長も」などの目標の達成に貢献できます。

※フェアトレードとは公平貿易といい、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に取引し、生産者の生活を支える貿易の仕組みのこと。

他にも、用紙代の一部をワクチンを贈る活動や環境保全を目的とした活動に寄付する「寄付金付き用紙」といったものもあります。

紙を選ぶだけでも、SDGsに貢献できるイメージが湧いてきましたね。

脱プラを意識してみる

2020年7月1日から始まったスーパーやコンビニでのプラスチック製買物袋(レジ袋)の有料化をきっかけに、「脱プラ」は浸透してきました。注目された理由のひとつに、プラスチックゴミが原因となることで海の生態系にも影響を及ぼす海洋汚染が挙げられます。目標14「海の豊かさを守ろう」にもあるように、SDGsで取り組むべき課題となっています。

では「どうやって販促物で脱プラ?」と思う方もいるかと思いますが、「プラスチック素材を他の素材に置き換える」ことで、販促とSDGsを両立させることができます。

例えば、

  • パッケージをプラスチック製から紙製に変更する。中身を見せたい場合は一部だけフィルムを使いプラスチックの減量を図る。
  • パンフレット等の表面をPP貼りから耐摩ニスに変更する。
  • クリアファイルを紙製ファイルに
  • 卓上カレンダーのリングをプラスチック製から紙製リングに変更する。

など、少し仕様を変えるだけで「脱プラでSDGs」に貢献することができます。また近年注目されているのが、紙やプラスチックの代替となる石灰石を主原料とした素材もあります。小売店の買い物袋にも代替素材が使われ始めていますね。

意識して日常生活を見てみると、いろいろな販促物や商品にもSDGsは浸透していることが実感できると思います。その企業がなぜ、どのようにSDGs取り組んでいるかを考えてみて、自社の販促活動の参考にしてみてはどうでしょうか。冒頭で問いかけた「SDGsに取り組もう」に対しての答えも見えてくると思います。

まとめ

SDGsは

  • MDGsを経て誕生した国際目標である。
  • 大企業だけの取り組みではなく、身近な活動から取り組むことができる。
  • 販促物の紙の種類を選んだり、脱プラを意識することでも取り組むことができる。

株式会社シーズンは、企業のSDGs推進活動のお手伝いをしたり、弊社自身もスーパー店頭などで行われているペットボトル・古紙回収といったリサイクル事業にも参画している制作会社です。

本記事の最初に掲載した展示会写真は、弊社クライアントである株式会社東京マツシマ様のSDGs推進活動を盛り込んだ展示会ブース装飾の実績です。展示会で使用したパネルもスチレンボードではなく、可燃ゴミとして廃棄できる段ボール素材を使用するなど、ブース運営にもSDGsを取り入れた事例となっています。そのほか、環境配慮型の植物油インキや認証紙の提案など、販促物におけるSDGsのお手伝いは多数実績があります。SDGsについて、社内上層部から指令が出ているけど「何から手をつけて良いか分からない」、「どう進めて良いか分からない」など、どんな段階でもOKです。まずはお気軽に弊社へご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

シーズンに少しでも興味を持った方、
お会いできる日を楽しみにしています。

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