投稿日:2023.06.07 更新日:2024.03.21

【必見】Web制作会社のホームページリニューアルの進め方を大公開!

こんにちは!営業部の清水です。
テレワークやWeb会議システムの導入が増え、ホームページを活用した集客・営業を推進したい、そもそも前回リニューアルから時間が経ち古くなっている、使い勝手が悪い等々、ホームページリニューアルを考える企業も多いと思います。この記事ではWeb制作会社である当社の実際のリニューアルの目的や手順を大公開し、どのように進めるのか、どんな点に注意すべきなのか等について解説します。

ホームページリニューアルのきっかけ。「Webで集客が出来ていない」

ホームページをリニューアルする、ということは現状のホームページに何かしら課題があることがきっかけになると思います。

  • デザインが古い
  • スマートフォンに対応していない
  • 更新の使い勝手が悪い(CMSを導入したい)
  • アクセス数が伸びない(Googleアナリティクスより)
  • Webからのお問い合わせが減った
  • そもそもWebで集客が出来ていない
  • 採用応募者を増やしたい
  • 役員からリニューアルの指示が出た

等々

当社の場合、以前から「Webで集客が出来ていない」という課題があり、CRM(顧客管理システム)・MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入を機にホームページリニューアルを決めました。

CRMやMAツールについては今後別の記事で紹介しますが、これらのツールを使うことにより、顧客のホームページ上での行動が可視化でき、営業活動に活用できるようになります。その効果を最大限活かすために、当社がどんな会社なのか、どんな特徴があるのか、といった会社を知ってもらうためのコンテンツ拡充が必要だという結論になり、リニューアルをすることになったのです。

ホームページリニューアルの進め方

事前準備

リニューアルをすることが決まった後は「目的」の整理を始めとした事前準備が必要です。ここでは事前準備としてどんなことを検討する必要があるのかを紹介します。

目的の整理

例えば「デザインが古い」という課題をきっかけにリニューアルする場合でも、デザインリニューアルを機にWebでの集客に力を入れるのか、SEO対策を検討するのかなど、ホームページで「何をしたいのか」を明確にすることが大切です。

目的の整理が曖昧だと、どんな機能が必要になるか、予算はどのぐらい必要になるかなど具体的な検討が進まない、Web制作会社から的確な提案を受けられない、途中で要件が変わり工数が増える(コストが増える)、そしてそもそも何をもってリニューアルが成功したと言えるか分からないといったことが起こり得ます。そのため「目的」の整理が事前準備において1番重要な項目と言えます。

当社の場合、リニューアルの目的は次のように整理しました。

【リニューアルの目的】

  • WEB で集客する(定期的に更新するコンテンツを作る+SEOに力を入れる)
  • シーズンのことが良くわかるようにする(事業内容や特徴コンテンツの拡充)

要件定義とペルソナ設定

次にリニューアルの要件定義ペルソナを検討します。

「要件定義」と聞くと重そうな作業に思いますが、

  • ターゲット設定(ペルソナ設定)
  • どんなページが必要か
  • どんな機能が欲しいか
  • リニューアル時期はいつにするか
  • 予算はいくらにするのか

といった内容をまとめれば良く、この段階で制作会社に相談し、機能や予算については提案を受ける、という進め方でも良いでしょう。

当社ではターゲットは中小企業の販促や広報担当者、ページ・機能については「シーズンの特徴がまとまったページ」「資料ダウンロード機能」「コラム投稿機能」など、リニューアル時期は当初2022年8月末(期間:4ヶ月間)と設定しましたが、途中社内リソース不足により中断、約半年ずらし2023年3月をリリース時期としました。予算は自社制作のため特段設定しませんでした。

ターゲットについて「中小企業の販促や広報担当者」と記載しましたが、ここではペルソナを作成し、具体的にどんな人をターゲットにするかを明確にしました。

ペルソナを作成することにより、リニューアルに関わる担当者間での認識のズレをなくし余計な時間や作業を削減、その結果デザインやコンテンツ制作の精度を高めることができます。なお、実際に当社で作成したペルソナについては別記事にて紹介いたします。

目標(KGI・KFS・KPI)設定

続いてはホームページリニューアルの目標設定。

当社ではKGI・KFS・KPIという指標を用い設定しました。

  • KGI:Key Goal Indicator/重要目標達成指標。最終目標。
  • KSF:Key Success Factor/重要成功要因。目標達成に必要な要因を定めたもの。
  • KPI:Key Performance Indicator/重要業績評価指標。目標達成に必要なプロセスを計測するもの。

当社では1年後の目標(KGI)を「完全Web由来の案件1件獲得」と設定し、それをもとにKSFとしてアクセス数や資料ダウンロード件数、コラム投稿件数、KPIとしてそれぞれの具体的な件数を設定しました。

当社ではここまでで1.5ヶ月程かかりました。

サイトマップの作成

目的、目標設定の後は、サイトマップを作成します。

サイトマップとは、サイトのページを一覧にまとめたもので、以下の内容を検討するのが一般的です。

  • ページタイトル
  • URL
  • コンテンツの概要
  • ディスクリプション

ページタイトルディスクリプションは検索エンジンに表示されるページタイトルや説明文となるため、ユーザービリティやSEO対策上大事な項目となります。

その他留意事項(サーバー・ドメイン関係)

ホームページをリニューアルする上で抑えておきたい点として、サーバードメインがあります。

状況によって必要な情報が変わりますが、リニューアル時には以下の情報を把握しておくと制作会社へスムーズに依頼することができます。

  • 現在使っているサーバーの種類(レンタルサーバー、専用サーバー、クラウドサーバー等)
  • サーバーのプラン
  • WEBサーバーとメールサーバーが一緒か別々か
  • ドメインの管理会社
  • リニューアルに伴ってサーバー・ドメインの移管が必要かどうか

もしサーバーやドメインの移管が必要な場合、サーバー選びや移管手続きは専門的な内容が多く慣れていないと対応が難しいため、制作会社に相談することをお勧めします。

当社ではリニューアルを機にサーバー・ドメインともに移管を行いました。サーバー選定から移管手続きまで対応可能ですのでお困りの方はお気軽にご相談ください!

サイト制作

事前準備が終わるといよいよサイト制作に入ります。このフェーズでは次の手順で進めます。

  1. キービジュアルデザイン、ワイヤーフレーム作成
  2. ページデザイン
  3. コーディング、システム開発
  4. テストアップ
  5. 本番アップ

キービジュアルデザイン、ワイヤーフレーム作成

キービジュアルとは、その名の通りホームページのキー(鍵)となるビジュアルのデザインで、TOPページのメイン画像で作成するのが一般的です。キービジュアルが他のページのデザインのベースとなるため、いきなり色んなページのデザインを作成するのではなく、まずはキービジュアルとなるデザインを固め、関係者の合意を得てから他のページデザインを進めます。

また、並行してワイヤーフレームの作成も進めます。ワイヤーフレームとはWEBページのレイアウトを定める設計図で、ページのどこに何を配置するのか明記します。デザインやコーディングした後に「あの項目を入れるのを忘れていた」「レイアウトが分かり辛い」などのトラブルが起きることを防ぐことができ、制作上必ず作成するものとなります。

ページデザイン

キービジュアルとワイヤーフレームをもとに、各ページのデザインを作成します。この段階では製品画像や説明テキスト(ライティング)が必要になります。

ちなみに当社ではワイヤーフレームの作成が間に合わないページもあり(恥ずかしながら・・・)、ワイヤーフレームが出来たページから順次デザイン+ライティングを進めました。

コーディング、システム開発

デザイン完成後はコーディング、システム開発です。デザイナーが作成したデザインデータをもとにコーディング(HTML・CSSといったマークアップ言語やPHP・JavaScriptといったプログラミング言語にてサイトの表示や動作に指示を出しデザインデータをWeb上で見られる形にする作業)を行います。

今回のリニューアルでは当初リリース予定が2022年8月末までと時間が無かったことから、デザインが完成したページから順次コーディング、コラムに至ってはデザインがない、ワイヤーフレームの段階で構築を始めました。内容にもよりますが後から修正工数が増える場合があるのでこのような進め方は極力控えた方が良いでしょう。。

テストアップ

コーディング後、表示崩れや動作不備がないか検証するためテスト環境にリリースをします。テスト環境とは一般公開されていないクローズ環境で、関係者のみ閲覧できるサイト、というものです。

本番アップ

テスト環境にて確認・検証・修正後、問題なければ一般ユーザーも閲覧できる本番環境にリリースとなります。

当社では結局テストアップが2023年3月8日、本番アップが3月10日でした。リニューアルの規模にもよりますが、今回のように20ページ規模の場合でも最低1週間はテスト環境での確認、修正期間はあった方が良いでしょう。特にECサイトや予約システムなど複雑なシステム開発が絡む案件では不備やエラーはつきものなので、1ヶ月など調整期間を設け余裕をもったスケジュールを組むことをお勧めします。

なお、ホームページリニューアルとなると既存のサイトがあるため、旧URLから新URLへのリダイレクト設定や、XMLサイトマップを設置するなど細かい注意事項がありますが、このあたりは制作会社に対応を任せれば良いでしょう。

リニューアル後

リニューアルが無事完了し、ホッと一息・・・と言いたいところですが、リニューアルはスタート地点。リニューアルの目的達成に向け運用や改善が不可欠です。参考までに当社で予定している今後の動きをご紹介します。

リニューアルの報告

取引先の皆様にメールにてリニューアルを報告します。

コラム運営

月1本コラムへの投稿を行います。SEO記事や当社のことをより知ってもらうための記事、販促という観点で役立つ記事など色々な記事を企画します。取引先の皆様には役立ちそうなコラム記事を投稿した際に、都度メールにて配信を行う予定です。

アクセス解析

定期的にアクセス解析を行います。SEO記事については順位や流入状況を週次でチェックするなど、コンテンツによってチェック頻度は変える予定です。

KPIの進捗確認+改善検討

コラムの投稿件数やアクセス数も全てKPIとして進捗を確認するものです。設定した目標に対して進捗がどうなっているか、というプロセスを踏み、予定通りに進捗していないKPI項目に対してはコンテンツの改修や拡充など何かしらの改善を検討します。

ホームページリニューアルの費用感

今回のホームページリニューアルの大半を自社にて対応したため、リニューアルの正確なコスト試算はできませんが、もし当社が見積りを出すとしたら、いくらになるか試算してみました。

  • 企画・サイト設計:80万
  • WF制作:20万
  • デザイン:80万
  • コーディング:120万
  • ライティング:30万
  • ディレクション:66万

合計396万円(税抜)

ホームページリニューアルを制作会社に依頼する際、目標設定やライティングなど、制作会社に依頼せず自社にて検討できる(場合によっては自社にて検討した方が良い)内容もあるため、同程度のリニューアルをする際に一概に同じ金額がかかるとは言えませんが上記金額となりました。

設定したKGI「完全Web由来の案件1件獲得」で回収するのは難しい金額だと思いますが、今後の運用により継続的に成果を上げることができれば、費用対効果は得られると思っています。

制作会社の選び方は「目的」によって変わる

ホームページのリニューアルは自社でWeb制作を行える会社でない限り、制作会社に依頼することになるでしょう。CMSのテンプレートを使う、定型フォーマットを利用するなど低予算で制作する制作会社もあれば、当社のように基本的にフルオリジナルでの制作を前提としている制作会社もあります。また、マーケティングに強い会社、デザインに強い会社、開発が得意な会社など様々です。

そのため、制作会社選びは、制作のみなのか、マーケティング(集客)も相談したいのか、リニューアル後、目標達成に向けた運用まで任せたいのか、など目的に合わせて選ぶことが大切です。ちなみに当社は「企画・デザイン」と「マーケティング」が得意で、Web制作からリニューアル後の保守・運用まで一貫して対応する会社です。

リニューアルの目的を伝えた上で「これなら目的を達成できそう」と納得できる提案があった会社を選び、ホームページリニューアルを成功させましょう。

ホームページリニューアル成功の鍵は「目的の整理」と「運用・改善」

以上、Web制作会社である当社のホームページリニューアルの目的整理からリニューアル手順までを赤裸々に大公開しました。

繰り返しになりますが、リニューアルはあくまで「スタート地点」です。集客や採用応募者数の増加など目的の達成=リニューアルの成功には継続的な運用・改善といったPDCAが不可欠です。つまり、「目的の整理」や「運用・改善」なくしてリニューアルの成功もありません。(リニューアル目的がデザインリニューアルのみといった場合、話は別ですが・・)

株式会社シーズンは目的・予算に合わせて旬(お客様に合わせ最適)な提案を行うことを大事にしているWeb制作やグラフィックデザインを行う総合制作会社です。リニューアルだけではなく、リニューアル後の継続的な成果に向けお客様と一緒に伴走します。

何から手をつけて良いか分からない、どう進めて良いか分からない、リニューアルをこれから考えてみようかな、など、どんな段階でもOKです。気軽にご相談ください。最後まで読んでいただきありがとうございました。