目次
概要
子ども虐待防止オレンジリボン運動「公式ポスターデザインコンテスト」について
オレンジリボン運動とは、子ども虐待防止のシンボルマークであるオレンジリボンを広めることで、子ども虐待のない社会の実現を目指す市民運動です。2004年に栃木県小山市で起きた幼い兄弟への虐待事件をきっかけに、二度とこのような事件が起こらないようにという願いを込めて、オレンジリボン運動が始まりました。
オレンジリボン運動の全国総合窓口を担うNPO法人児童虐待防止全国ネットワークでは、ポスターの制作を通じてオレンジリボン運動への関心を高めること、また啓発活動としての目的も含め、毎年ポスターデザインコンテストを開催しています。年齢、職業、プロ・アマチュアを問わず、幅広く作品を募集しています。18回目を迎える今年のコンテストでは、728点もの作品が応募されたとのことです!
この応募数から、年齢や立場を問わず多くの方がオレンジリボン運動に賛同し、そして「子ども虐待のない社会をつくりたい」という真摯な想いを感じました。
公式サイト:https://www.orangeribbon.jp/
コンテスト参加の経緯
コンテスト参加の経緯について、今回の受賞者であるデザイナーの藤本にインタビューしました。
〈参加の経緯〉
まだまだ認知度が低い子ども虐待防止の活動「オレンジリボン」について知り、デザインの力で社会に貢献できるコンテストだと思い参加しようと決めました。「共感」が自分で決めたテーマでしたが、「社会」が共感するポスターというより当事者の方の少しだけ深いところにある気持ちにアプローチができないか考えました。
「子どもの虐待」というデリケートで複雑な事象に対して、当事者の方に寄り添うのは大変おこがましく、とても難しいと思っており、せめて、いつも近くにある「絵本」のような表現で心に残ってもらえたら、、と制作しました。
これまで私自身が子育ての中、ママ友や子どもたちと過ごした時間に感じていたことを、表現できたと思っています。
藤本の想いが実際の作品にどのように繋がっていったのか、2.受賞作品・授賞式の様子にて詳しくご紹介します。
受賞作品・授賞式の様子
受賞作品のご紹介

制作デザイナー:藤本 暢子
周りのみんなと同じように見えても、本当は違う。辛くてたまらない気持ちを隠して、振舞っているのかもしれない。気づいていないだけで私のすぐそばにも、そんな思いを抱えた子どもがいるのではないか。ポスターから感じるそんなメッセージに、はっとさせられました。
どのような視点からこの作品を手がけたのか、藤本のコメントとともに制作意図をご紹介いたします。
〈制作意図〉
虐待の当事者は、自分がかわいそうな子とか、ひどい親なんて、認めたくない。
周りにいる幸せそうな家族や街の人たちと同じなはず、同じでいたい自分なのにそうでは無いと感じてる。誰かに聞いて欲しい。でも言えない。
言えないのはなぜかな、と思ったのが制作のきっかけでした。
そんな様子を花で例えられないかなと考えました。
自分だってみんなと同じように咲いてる。
でもきれいに咲いている花たちのなかで、元気なくポツンといる花。
涙のような花びらが散ってしまいそう。
よく見たら茎や根っこが繋がっていない。
ミツバチがそっとやってきて、声をかける。
寄り添えば枯れてしまうまえにきっかけが見つかるのでは、と問いかけています。
本作品は企業・団体賞の中より「株式会社GSクラフト賞」を受賞いたしました。審査員の方からのコメントもご紹介させていただきます。
〈審査員より〉
「助けて」と言えない子どもの孤独を、一輪だけ元気のない花で表現している点が印象的でした。寄り添うミツバチの姿には温かさを感じ、ぬいぐるみという”心に寄り添う存在”を通して、人に安心感や癒しを届けたいという弊社の想いとも重なり、本作品を選ばせていただきました。
授賞式の様子
授賞式は7月26日(日)都内某所にて行われました。当時の様子を写真と共にご紹介します。

株式会社GSクラフトの公式キャラクター「ミツバチみっちゃん」 公式X:https://x.com/gs_micchan

(左)株式会社GSクラフト 美濃部様 (右)株式会社シーズン 藤本 暢子
藤本からの受賞コメントです。
〈受賞コメント〉
この度は素晴らしい賞に選出していただきありがとうございます。
「虐待」を自分ごとに置き換えた時、周囲に「虐待のある家庭」と、認識されたくないだろうと思いました。声をかけられたとしても「虐待」は否定したい。親も、子どもも、そんな自分は認めたくない。そんな気持ちにそっと寄り添えるポスターにしたいと思いました。
言葉を持たず、弱った植物も、手入れすることで植物がやがて息を吹き返すように、より添いや共感が虐待をなくすきっかけになることを願っています。
またこの度、私の制作したポスターを選出いただいたGSクラフト様の制作されるぬいぐるみのように寂しい人の隣にいられて、見た人の心に残り、ほんのちょっとだけ気持ちが和らぐと良いな、と思っております。
GSクラフト様のゆるキャラ、ミツバチの「みっちゃん」がデザインしたポスターのなかで、枯れそうな花にそっと寄り添うミツバチにリンクしたことも、とても嬉しかったです。
まとめ
今回の受賞・そしてこのコラムでの執筆を通じて、私自身、改めて「デザインが持つ力」を実感する機会となりました。
子ども虐待は決してあってはならないことであり、そして子どもとは社会全体で守るべき存在だと強く感じています。小さな子どもの「助けて」という声を見逃さないためにも、オレンジリボン運動の輪が一人でも多くの人へと広がり、子どもたちの笑顔が溢れるあたたかい社会が築かれることを願っています。
そして弊社ではデザインの持つ力、その可能性を信じ、ビジネスの課題解決にとどまらず、よりよい社会づくりにも貢献してまいります。

