目次
アクセス解析とは?サイトの「健康状態」を知る第一歩

アクセス解析とは、単に「何人がサイトに来たか」を数えるだけではありません。「どこの会社(誰)が」「どの広告や検索から来て」「どのサービスページを見て」「どこで帰ってしまったのか」というお客様の行動を可視化することです。
このデータを見ることで、「サービスには興味があるけれど、問い合わせフォームが分かりにくくて諦めてしまったのではないか?」「事例ページがよく読まれているから、もっと事例を増やそう」といった、具体的な改善策が見えてきます。勘や経験に頼るのではなく、顧客心理をデータで読み解くための「羅針盤」とお考えください。
つまり、アクセス解析はお客様を深く理解し、Webサイトからのお問い合わせや資料請求を増やすための必須ツールなのです。
なぜ今、Web担当者に「分析スキル」が必要なのか?
今日のデジタル市場は競争が激化し、企業のWebサイトに求められる役割はますます高度になっています。広告費用も高騰し続ける中で、闇雲に施策を打つだけでは期待する成果は得られません。勘や経験だけに頼ったサイト運営では、限られた予算とリソースを無駄にしてしまうリスクが高まります。このような状況だからこそ、Web担当者にはデータに基づいた客観的な判断力と、それによってサイトを改善していくアクセス解析のスキルが強く求められているのです。データという確かな根拠に基づいて施策を立案し、その効果を測定することで、はじめて確実な成果へと繋がります。
サイトの現状と「もったいない箇所」の発見
アクセス解析の最大のメリットは、Webサイトの現状を正確に把握し、漠然とした問題意識を具体的な課題として可視化できる点にあります。例えば、「せっかく多くのユーザーが訪れているのに、なぜか問い合わせに繋がらない」といった感覚的な課題も、アクセス解析によって明確なデータとして捉えられます。
具体的には、「特定のキャンペーンからの流入ユーザーは多いが、コンバージョン率が著しく低い」といった問題や、「商品詳細ページの離脱率が異常に高い」といったサイトのボトルネックを発見できるでしょう。どの流入経路からのユーザーが成果に繋がりやすいのか、あるいはどのページでユーザーが迷い、サイトを離れてしまっているのかをデータで示すことで、次に取り組むべき改善点が明らかになります。
広告や施策の成果を「数字」で証明できる
アクセス解析は、Webサイトのリニューアルや広告キャンペーンなど、さまざまなWeb施策がビジネスにどれだけ貢献したのかを客観的な数値で証明するための強力な武器となります。感覚的な評価ではなく、「サイト改善の結果、特定のランディングページのコンバージョン率が1.5倍に向上しました」といった具体的なデータを提示できるようになるのです。
これにより、上層部への報告時に施策の有効性を明確に示せ、今後の予算獲得やご自身の評価向上にも直結します。データが「施策の価値を裏付ける証拠」となることで、より説得力のあるコミュニケーションが可能になり、Webサイトがビジネス全体に貢献していることを明確にアピールできます。
「改善サイクル」でサイトを育て続ける
アクセス解析は、一度分析して終わりではなく、Webサイトを継続的に成長させるための「PDCAサイクル」を回すエンジンとなります。データに基づいた「仮説→実行→検証→改善」のサイクルを繰り返すことで、場当たり的な施策ではなく、根拠に基づいた効果的な改善を積み重ねていくことが可能です。
例えば、アクセス解析から「ユーザーは特定のコンテンツの後に離脱しやすい」という仮説を立て、それに対する改善策を実行します。その後、その施策が目標達成にどの程度貢献したかを再びデータで検証し、さらなる改善点を見つけ出す。このサイクルを回し続けることで、Webサイトは常に最適化され、ビジネスに貢献し続ける「生きた資産」へと成長していくでしょう。
アクセス解析でわかる「4つのこと」

ユーザー像:どんな企業・人が見ているか?
サイトを訪れている人の属性が分かります。地域(東京が多いのか、地方からも来ているのか)や、使っているデバイス(PCかスマホか)などは基本的ながら重要です。
特にBtoBの場合、「平日の日中にPCからのアクセスが多い」なら業務中の閲覧がメインと推測できます。逆に「スマホからのアクセスが増えている」なら、移動中にサクッと見れるようスマホ対応のデザインを強化する必要があります。想定しているターゲット層と実際の訪問者にズレがないかを確認しましょう。
流入経路:どこを経由して御社を知ったか?
お客様がどのルートでサイトに来たかを知ることは、広告費の配分を決める上で最も重要です。主なルートは以下の5つです。
・自然検索(Organic):社名や「〇〇 法人契約」などで検索して、広告枠以外から来た場合。SEO対策の成果です。
・有料検索(Paid):リスティング広告などをクリックして来た場合。私たちが運用する広告の直接的な効果です。
・SNS(Social):X(旧Twitter)やFacebook、LinkedInなどからの訪問です。
・参照サイト(Referral):外部のニュースサイトや、パートナー企業のリンクから来た場合です。
・直接流入(Direct):ブックマークや、名刺・チラシのQRコード、URL直接入力などからの訪問です。
「広告経由のお客様は検討度が高い」「自然検索は数は多いが検討度はまちまち」など、経路ごとの特徴を知ることで、予算をどこにかけるべきか判断できます。
サイト内行動:どのページに興味があるか?
サイトに来た後のお客様の動きを追うことで、興味のありかを探れます。
・人気ページ:よく見られているページは?(例:「料金表」や「導入事例」がよく見られるなら、検討度が高い証拠です)
・ランディングページ(入り口):最初に着地したページです。ここの離脱率が高いと、第一印象で損をしている可能性があります。
・離脱ページ:最後に見たページです。問い合わせ完了画面なら最高ですが、入力フォームでの離脱なら改善が必要です。
お客様がどこで興味を持ち、どこでつまずいているかを発見しましょう。
コンバージョン:成果(問い合わせ・資料請求)に繋がったか?
Webサイトのゴールである「コンバージョン(CV)」の達成度合いです。BtoBサイトなら「お問い合わせ」「資料ダウンロード」「セミナー申し込み」などがこれに当たります。
アクセス解析の最も重要な役割の一つは、このコンバージョンの回数や発生率を正確に計測し、可視化することです。コンバージョン数を追うことで、Webサイトがビジネスに対してどれだけ直接的に貢献しているかを数値で明確に示せます。さらに、コンバージョンに至るまでのユーザー行動を分析することで、どの流入経路やどのページが成果に繋がりやすいのか、あるいはどの段階でユーザーが離脱してしまっているのかを特定し、具体的な改善策を立てるための重要な指標となります。コンバージョンは、Webサイトの費用対効果を測る上で最も中心的な指標であり、すべての改善施策はこれを最大化するために行われると言っても過言ではありません。
【簡単5ステップ】Web解析の進め方
ここでは、本業でお忙しい担当者様でも無理なく実践できる、解析から改善までの基本的な流れを5ステップでご紹介します。
STEP1:サイトの目的と目標(KGI/KPI)を決める
アクセス解析を始める上で最も重要なのが、Webサイトの目的と目標を明確にすることです。目的が曖昧なままでは、どのデータを見ればよいか分からず、分析が迷走してしまう原因となります。
まず、サイト全体の最終的な目標であるKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)を設定しましょう。たとえば、ECサイトであれば「ECサイトからの売上◯%アップ」、リード獲得サイトであれば「資料請求数◯件増加」などがKGIとなります。
次に、そのKGIを達成するための中間目標としてKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定します。KGIが「売上20%アップ」であれば、KPIとして「コンバージョン率を1.5倍にする」「月間アクセス数を20万件に増やす」といった具体的な数値を設定します。このように、KGIとKPIを明確にすることで、何のためにアクセス解析を行うのか、どの指標に注目すべきかがはっきりとし、効率的なデータ分析と改善活動が可能になります。
STEP2:解析ツール(GA4など)を導入する
目標が決まったら計測ツールを入れます。現在は「Google Analytics 4(GA4)」が業界標準です。無料で高機能な分析が可能です。
導入には「計測タグ」というコードをサイトに埋め込む必要があります。
もし設置方法が分からない、WordPressの設定が不安という場合は、制作会社や私たちにご相談ください。正確なデータが取れていないと分析の意味がなくなってしまうため、最初が肝心です。
STEP3:現状を知り、課題の「仮説」を立てる
データが溜まってきたら、STEP1で決めた目標と比べてみましょう。「目標30件に対し、実績は10件」だった場合、どこに原因があるか探ります。
データを見ながら仮説を立てます。「スマホからのアクセスが多いのに、スマホでのCV率が極端に低い」→「もしかして、スマホだと入力フォームが使いづらいのでは?」といった具合です。数字の裏にある「理由」を想像することが大切です。
STEP4:仮説に基づき、改善策を実行する
原因の仮説が立ったら、実際にサイトを修正します。
「フォームが使いづらい」という仮説なら、入力項目を減らしたり、ボタンを押しやすく大きくしたりします。「広告とページの内容が合っていない」なら、キャッチコピーを変更します。
闇雲に変更するのではなく、「ここを直せば数字が上がるはず」という狙いを持って行うのがポイントです。
STEP5:効果を検証し、次へ繋げる
修正して終わりではありません。一定期間後にデータを見て、「狙い通り数字が改善したか」を確認します。
もし改善していれば成功!そのノウハウは他のページにも展開できます。もし変わらなければ、別の原因(仮説)を考えてまた試す。この繰り返しが、強いWebサイトを作ります。
これだけ見ればOK!初心者が押さえるべき8つの指標
管理画面にはたくさんの数字が並んでいますが、初心者のうちは全部を見る必要はありません。まずは以下の8つだけ定期的にチェックしてください。
①サイト全体の規模感を知る
まずはサイトの基礎体力とも言える、訪問ボリュームを把握しましょう。
ユーザー数
「何人(何社)」がサイトに来たかです。同じ人が何度来ても「1」と数えます。サイトの知名度や集客力を測る基本の数字です。
セッション数
「延べ訪問回数」です。1人が午前と午後に1回ずつ来たら「2」になります。ユーザー数に対してセッション数が多いほど、リピーターが多い(検討が進んでいる)可能性があります。
ページビュー数(PV数)
「ページが見られた総数」です。1回の訪問で3ページ見たら「3PV」です。多いほど、サイト内の情報を熱心に収集してくれていると言えます。
②ユーザーの満足度を知る
中身がちゃんと読まれているかを確認する指標です。
直帰率・離脱率
「直帰率」は、ユーザーがサイトに訪問して最初の1ページだけを見て、何も操作せずそのままサイトを離れてしまったセッションの割合を指します。たとえば、広告や検索結果をクリックして特定のページにたどり着いたものの、そのページだけを見てすぐに別のサイトへ移動してしまった場合などがこれに該当します。
一方、離脱率は、各ページがセッションの最後のページになった割合を示します。これは、ユーザーがサイト内で複数のページを閲覧した後に、そのページでセッションを終えたことを意味します。直帰率が高いのは、最初のページの内容がユーザーの期待と異なっていたり、情報が分かりにくかったりする可能性を示唆します。特に、広告からの流入先であるランディングページの直帰率が高い場合は、広告文とページの内容が一致しているか、ページに価値ある情報が十分に提供されているかを見直す必要があります。
平均セッション時間
1回の訪問でどれくらい滞在していたかです。
基本的には長いほうがしっかり読まれていると言えます。ただし「お問い合わせ」ページなどは、短時間で完了できる方が親切な場合もあるので、ページによって判断を分けます。
③集客の効果を知る
どこからの訪問が効果的かを見極めます。
流入チャネル
「Organic Search(検索)」「Paid Search(広告)」「Referral(他サイト)」などの内訳です。
例えば「広告経由は増えたが、自然検索が減っている」など、集客のバランスを見るのに役立ちます。
④ビジネス成果を知る
最も重要な、売上に直結する数字です。
コンバージョン(CV)数
お問い合わせや資料請求の「完了数」です。この数字を増やすことが我々の共通ゴールです。
施策を行った月はここが増えているか、必ずチェックしましょう。
コンバージョン率(CVR)
サイトに来た人のうち、何%がCVしたかです。「CV数 ÷ セッション数」で計算します。(例:100人来て1人問い合わせなら1%)。
この率を上げれば、同じ広告費でも獲得件数を倍増させることが可能です。サイト改善の指標として最も重視すべき数字です。
まずは無料で!おすすめツール3選
高価なツールは必要ありません。まずはGoogleやMicrosoftが提供する無料ツールで十分です。
Google Analytics 4 (GA4)|サイトの健康診断カルテ
これさえあればOKという基本ツールです。ユーザー数、行動、CV数など、サイト全体の動きを網羅できます。導入は必須と言えます。
Google Search Console|検索ワードの分析官
Google Search Consoleは、Google検索におけるWebサイトのパフォーマンスを詳細に分析できるSEO特化型ツールです。ユーザーがどの検索クエリでサイトに到達したか、検索結果への表示回数やクリック率はどうかといった情報を提供し、SEO施策の判断材料となります。GA4とデータ連携すれば、検索流入後のユーザー行動まで一気通貫で可視化できます。
Microsoft Clarity|行動をサーモグラフィで可視化
Microsoft Clarityは、無料で使えるヒートマップ・セッションレコーディングツールです。ページ内のクリック位置やスクロール深度を色で可視化でき、ユーザーがどこに興味を持ち、どこで離脱しているかを直感的に把握できます。GA4の定量データでは把握しづらい「なぜ離脱したか」という定性的な洞察を得るのに最適です。
【実践】データを使ったサイト改善のヒント
データを見て「悪いところ」が見つかったら、具体的にどう直すべきか。よくあるBtoBサイトの改善ポイントを3つ挙げます。
広告の受け皿(ランディングページ)を改善
広告をクリックして最初に見るページの「直帰率」が高い場合、ファーストビュー(最初に表示される画面)で「求めていた情報がない」と思われているかもしれません。キャッチコピーを広告文と合わせたり、メリットを分かりやすく箇条書きにするなどの工夫が必要です。
コンテンツを充実させ信頼度アップ
平均セッション時間や読了率が低いページは、コンテンツがユーザーの期待を満たしていない可能性があります。検索意図を再確認し、具体例や図表を用いて分かりやすく解説する、関連情報への内部リンクを追加して回遊性を高めるなど、質の向上が重要です。満足度が向上すれば滞在時間が伸び、コンバージョンにも好影響を与えます。
「お問い合わせ」への導線をスムーズに
優れた導線設計はユーザー体験を向上させ、コンバージョン率を高める鍵となります。GA4の「目標到達プロセス」やClarityのヒートマップでユーザーの動きを可視化し、離脱ポイントやクリックされない要素を特定したら、内部リンクの設置やナビゲーションの整理、フォーム項目の簡素化など具体策を実行しましょう。
解析を続けるための注意点
最後に、解析運用で失敗しないための心構えをお伝えします。
手段と目的を履き違えない
「毎日データを見ること」が仕事ではありません。「成果を出すこと」が目的です。数字の増減に一喜一憂せず、「CV数(問い合わせ数)」が増えているなら、細かい数字の悪化は気にしすぎなくても大丈夫です。
定期的にチェックする癖をつける
週に1回、あるいは月に1回で構いませんので、定点観測しましょう。私たち代理店との定例会で一緒に確認するのも良い習慣です。
プライバシーへの配慮
Cookieや計測タグを使用する際は、ユーザーのプライバシーに配慮し、Cookie同意バナーの表示やプライバシーポリシーの明示を徹底しましょう。個人情報保護法やGDPRのガイドラインを遵守し、企業の信頼性を損なわない運用が求められます。
まとめ|データは御社のビジネスを加速させます
アクセス解析は、決して難しいものではありません。まずは「Googleアナリティクス」を入れて、「今月は何件問い合わせがあったか」「どのページが人気か」を見ることから始めてみてください。それだけで、次に打つべき手が見えてくるはずです。
データという客観的な事実があれば、社内説得もスムーズになり、より効果的なマーケティング活動が可能になります。私たちも一緒にデータを分析し、御社のビジネス成長をサポートさせていただきます。
